目次
1.職種別に見る“残業が発生しやすい本当の理由”
2.残業の多い職種ランキング
3.残業が少ない仕事には理由がある
4.残業の少ない職種ランキング
5.最後に・・・
1. 職種別に見る“残業が発生しやすい本当の理由”

「残業が多い職種ランキング」といったデータを見ると、
つい 「大変そう」「ブラックなのでは?」 という印象を持ってしまいがちです。
しかし、実際には
残業が多い=労働環境が悪い
とは限りません。
そこには、職種特有の業務構造・責任の重さ・外部要因が深く関係しています。
ここでは、残業時間が比較的多いとされる10の職種について、
「なぜ残業が発生しやすいのか」を職種ごとに見ていきます。
2.残業の多い職種ランキング
| 順 位 | 残業の多い職種ランキング | 月平均残業時間 |
| 1 | ビジネス系コンサルタント | 21.2時間 |
| 2 | ドライバー | 21.0時間 |
| 3 | 組込み・制御エンジニア | 20.2時間 |
| 3 | 施工管理・設備・環境保全 | 20.2時間 |
| 5 | 編集・ライター・制作管理 | 20.1時間 |
| 6 | IT業界アーキテクト | 19.7時間 |
| 7 | 機械エンジニア | 19.4時間 |
| 8 | 商品企画・営業企画 | 18.3時間 |
| 9 | 電気エンジニア | 18.2時間 |
| 10 | 化学エンジニア | 17.9時間 |
1位 ビジネス系コンサルタント(平均残業 21.2時間)
―「考える仕事」は時間が見えにくい―
ビジネス系コンサルタントは、課題解決が仕事の中心です。
クライアントの要望は抽象的なことも多く、仮説構築・分析・資料作成・ストーリー設計を何度も行います。
日中は打ち合わせや会議で時間が埋まり、本当の意味で集中できる作業時間は夜になるケースも少なくありません。
また、クライアント都合での急な修正や追加依頼も多く、プロジェクト終盤ほど残業が増えやすい職種です。
2位 ドライバー (平均残業 21.0時間)
― 外部要因に左右されやすい「時間労働」 ―
ドライバーの残業は、本人の裁量ではどうにもならない要因が多くあります。
交通渋滞、天候、事故、荷待ち時間など、予定通りに進まないことが前提の仕事です。
加えて、慢性的な人手不足により一人当たりの運行本数やルートが増える傾向もあり、
結果として労働時間が長くなりがちです。
3位 組込み・制御エンジニア (平均残業 20.2時間)
―「直るまで終われない」世界―
組込み・制御エンジニアは、製品の中核を担う存在です。
不具合が発生すれば、原因を突き止め、修正し、再検証するまで業務は終わりません。
特に、実機を使った検証は夜間や休日に行われることも多く、納期前には残業が一気に増える傾向があります。
属人化しやすく、代わりが効きにくい点も負担を増やす要因です。
3位 施工管理・設備・環境保全 (平均残業 20.2時間)
― 現場を止めないための調整役 ―
施工管理職は、工期・安全・品質すべての責任を背負います。
天候や協力会社の都合で計画が崩れることも多く、そのたびに再調整が必要になります。
現場対応で日中は外に出て、事務作業は帰社後や夜に行うという二重構造も残業が増えやすい理由の一つです。
5位 編集・ライター・制作管理 (平均残業 20.1時間)
― 締切とクオリティの板挟み ―
編集・制作系の仕事は、締切が絶対である一方、修正回数に上限がないという特徴があります。
「もう少し良くしたい」「ここを直してほしい」といった要望が重なり、
結果として夜遅くまで作業が続くことも珍しくありません。
少人数体制の職場が多い点も、負荷が集中しやすい要因です。
6位 IT業界アーキテクト (平均残業 19.7時間)
― 失敗できない設計責任 ―
ITアーキテクトは、システム全体の設計思想を担うポジションです。
要件変更やトラブル対応の際には、技術的な判断を即座に求められます。
関係部署やベンダーとの調整も多く、
「考える時間」「説明する時間」「調整する時間」が積み重なり、結果的に残業が増えやすくなります。
7位 機械エンジニア (平均残業 19.4時間)
― 設計ミスが後工程に直結する ―
機械エンジニアの仕事は、設計のわずかなミスが製造・品質トラブルに直結します。
試作や評価の段階で問題が見つかれば、図面修正からやり直しになることも多く、
慎重さが求められる分、時間がかかりやすい職種です。
8位 商品企画・営業企画 (平均残業 18.3時間)
― 正解が見えない仕事 ―
商品企画や営業企画は、市場分析・数値管理・社内調整など、業務範囲が広いのが特徴です。
成果が数字として出るまで答えが見えず、
「もう一度考え直そう」と検討を重ねるうちに、自然と労働時間が延びていきます。
9位 電気エンジニア (平均残業 18.2時間)
― 安全と法規が最優先 ―
電気エンジニアは、安全性や法令遵守が非常に厳しく求められます。
試験・検証、現場立ち会いなどで夜間対応が発生することも多く、
ミスが許されないプレッシャーが残業につながりやすい職種です。
10位 化学エンジニア (平均残業 17.9時間)
― プロセス産業ならではの制約 ―
化学エンジニアは、
実験や製造プロセスが連続しているケースが多く、「途中で止める」ことが難しい仕事です。
分析結果待ちや設備トラブル対応など、
時間に縛られやすい業務構造が、残業を生みやすい要因となっています。
3.残業が少ない仕事には理由がある

― 職種別に見る「定時で終わりやすい」働き方の正体 ―
「できることなら残業は少ないほうがいい」
転職相談やキャリアの話をしていると、ほぼ必ず出てくる本音です。
残業が少ない仕事には、
偶然ではなく はっきりした構造的な理由 があります。
ここでは、残業時間が比較的少ないとされる職種を取り上げ、その背景を見ていきます。
4.残業の少ない職種ランキング
| 順位 | 職種別・残業の少ない業界 | 月平均残業時間 |
| 1 | 化粧品販売・美容部員 | 5.4時間 |
| 2 | 保険士・介護士 | 7.5時間 |
| 3 | 受付業務 | 7.7時間 |
| 4 | 営業事務・一般事務 | 7.8時間 |
| 4 | 臨床心理士・カウンセラーなど | 7.8時間 |
| 6 | アパレル・ファッション販売 | 8.2時間 |
| 7 | 事務(経理・人事・総務・法務) | 8.6時間 |
| 7 | 医療事務 | 8.6時間 |
| 9 | 農林・水産・酪農 | 8.9時間 |
| 10 | 百貨店 | 9.0時間 |
1位 化粧品販売・美容部員 (平均残業 5.4時間)
-営業時間=労働時間という分かりやすさ-
化粧品販売や美容部員の仕事は、
百貨店や商業施設の営業時間と完全に連動しています。
開店すれば仕事が始まり、閉店すれば業務が終わる。
接客が中心のため、持ち帰り仕事や突発的な業務もほとんどありません。
シフト制が徹底されており、
「時間を超えて頑張ること」が評価につながりにくい 点も、残業が少ない理由です。
2位 保険士・介護士 (平均残業 7.5時間)
-制度で時間管理が縛られている仕事―
介護・保険関連の仕事は、人命や生活に直結する分、法令や人員配置基準が厳しく定められています。
シフト制が前提で、
一人が長時間働き続けると現場が回らなくなる構造です。
そのため、残業はむしろ 「起きてはいけないもの」 として管理される傾向があります。
3位 受付業務 (平均残業 7.7時間)
-来客が終われば仕事も終わる-
受付業務は、対応範囲が明確です。
来客対応や電話対応といった業務は、基本的に営業時間内で完結します。
成果目標やノルマがなく、
突発的な判断を求められる場面も少ないため、定時で業務が終わりやすい職種の代表格といえるでしょう。
4位 営業事務・一般事務 (平均残業 7.8時間)
-仕事の先が読めるから残業が生まれにくい-
営業事務や一般事務は、定型業務やルーティンワークが中心です。
月次・週次といった業務サイクルが安定しており、「いつ、何を、どれくらい行うか」 が見えています。
この「予測できる仕事構造」が、残業を抑える最大の要因です。
5位 臨床心理士・カウンセラーなど (平均残業 7.8時間)
-時間を守ることが仕事の質になる-
カウンセリング職は、予約制が基本です。
一人ひとりに対応できる人数や時間には上限があり、
無理に詰め込むことは、サービスの質を下げることにつながります。
そのため、時間外対応は最小限に抑えられ、
「定時で終わること」そのものが、良い仕事の条件 になっています。
6位 アパレル・ファッション販売 (平均残業 8.2時間)
-ショップ運営は「計画ありき」―
アパレル販売も、店舗の営業時間と強く結びついた仕事です。
棚卸やセール準備などの業務は事前に計画され、突発的な残業が発生しにくい仕組みになっています。
現場スタッフが一人で抱え込まない体制も、残業を抑えている要因の一つです。
7位 事務職(経理・人事・総務・法務) (平均残業 8.6時間)
-標準化と仕組みで回る仕事―
バックオフィス系の事務職は、業務フローやチェック体制が整っているケースが多く見られます。
システム化・自動化も進んでおり「人が長時間働かなくても回る設計」がされています。
会社を支える仕事でありながら、労働時間は比較的安定しやすい職種です。
8位 医療事務 (平均残業 8.6時間)
-診療時間と連動した働き方―
医療事務は、病院やクリニックの診療時間がベースになります。
レセプト業務など締切のある仕事はありますが、業務マニュアルが整備され、分業も進んでいます。
医療現場の中でも、時間管理がしやすいポジションといえるでしょう。
9位 農林・水産・酪農 (平均残業 8.9時間)
-残業という概念が当てはまらない世界―
農林・水産・酪農の仕事は、自然のリズムに合わせて動きます。
朝は早い一方で、作業時間帯は比較的固定されており、会社員的な「残業」という考え方が薄い場合も多いです。
日常業務は安定しており、効率化や機械化が進んでいる分野も増えています。
10位 百貨店 (平均残業 9.0時間)
-大規模組織ならではの労務管理―
百貨店は、開閉店時間が厳密に管理され、労務管理の仕組みも整っています。
テナント運営や顧客対応のフローが確立されているため、
突発的な業務が発生しにくく、結果として残業時間が抑えられています。
5.最後に・・・

-残業の少なさは「仕事の楽さ」ではなく「仕事の設計」で決まる-
残業が少ない職種に共通しているのは、
個人の努力や根性ではなく、最初から「時間内で終わる前提」で仕事が設計されているという点です。
具体的には、
- 営業時間・診療時間・予約制・シフト制などで労働時間が明確に区切られている
- 業務内容が定型化・標準化されており突発対応や属人対応が起こりにくい
- 時間外に頑張ることが評価や成果に直結しにくい仕組みになっている
- 法令や制度、組織運営のルールによって長時間労働が抑制されている
といった構造的な共通点があります。
つまり、残業が少ない仕事とは
「楽をしている仕事」でも「責任が軽い仕事」でもなく、
役割・時間・評価軸が明確に定義された仕事だと言えます。
一方で、こうした職種では
「自分で仕事を膨らませて評価を上げる」ことが難しい側面もあります。
成長実感や裁量の大きさを重視する人にとっては、
物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。
大切なのは、
残業が少ないか多いかを良し悪しで判断しないことです。
- 時間を区切って安定して働きたいのか
- 裁量や成果を求めて負荷も受け入れるのか
どちらが正解ということはありません。
転職やキャリア選択の場面では、
「残業時間」という数字だけを見るのではなく、
なぜその働き方になるのか、どんな仕事設計なのかまで理解した上で判断すること。
それが、
後悔しない職業選択につながる最も確実な方法です。
安定した時間管理を求めるなら、
業務が標準化され、役割が明確な職場は大きな味方になります。
一方で、裁量や成長スピードを重視するなら、
多少の忙しさは「経験への投資」と考えられるかもしれません。
株式会社S.I.Dはこれからも仕事にまつわる有意義な情報をお届けします。
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就職活動の際、判断基準の1つになれば幸いです。

