フィールドエンジニア職に未経験から挑戦する方法とは?

目次

1.はじめに
2.フィールドエンジニアの概要と仕事の特徴
3.フィールドエンジニア職のやりがいと厳しさ
4.未経験者に必要なスキルと資格
5.フィールドエンジニア職の転職活動
5.フィールドエンジニアの待遇と年収
6.最後に・・・

1.はじめに

フィールドエンジニア職は、現場で機器や装置の設置・修理・メンテナンスを行う技術系職種であり、近年は製造業、医療機器、FA装置、半導体製造装置、情報通信インフラなどあらゆる分野から需要が高まっています。特に未経験者の採用に積極的な企業も多く、研修制度が整っているケースも多いため、技術職としてのキャリアをゼロから築きたい求職者にとって非常に魅力的な職種です。

以下では、フィールドエンジニアの仕事内容、未経験から挑戦する方法、転職活動の進め方、待遇・年収、そしてキャリアパスまで、求職者・転職者が知りたい情報を徹底解説していきます。

2.フィールドエンジニアの概要と仕事の特徴

2.1 フィールドエンジニア職とは?

フィールドエンジニア(Field Engineer)とは、企業の製品や装置が実際に使用されている現場へ訪問し、設置・検査・修理・メンテナンス・動作確認・顧客サポートなどを行う技術職です。企業によって「サービスエンジニア」「カスタマーエンジニア」「オンサイトエンジニア」など呼び方が異なることもありますが、基本的な役割は同じです。

フィールドエンジニアの大きな特徴は、工場や病院、オフィス、データセンター、製造ラインなど、現場に直接出向いて作業を行う点です。その場で機械の状態を確認し、トラブルの原因を特定し、必要な部品交換や調整を行うため、技術力だけでなく「柔軟な対応力」「コミュニケーション力」「問題解決力」が求められます。

2.2 フィールドエンジニアの代表的な業務

  • 装置の立ち上げ・設置作業
  • トラブルの原因調査・修理
  • 定期点検(予防保全)
  • 顧客への操作説明
  • ソフトウェアアップデート
  • 動作ログの確認と改善提案
  • 報告書の作成

2.3 現場作業の特徴

  • 作業は1〜3時間で終わるケースもあれば、一日がかりになる場合もある
  • 顧客が稼働中の装置を止められない場合、夜間や休日対応が発生することもある
  • 出張が多い企業も多く、国内外の移動が発生しやすい

現場で直接作業を行い、機械を復旧させるという点で「技術者としての達成感」を強く感じられる仕事です。

2.4 フィールドエンジニアが扱う主な装置と技術

扱う装置は業界によって大きく異なり、必要なスキルセットもそれに応じて変わります。ここでは代表的な分野を紹介します。

製造装置系(FA機器・半導体製造装置など)

  • ロボットアーム
  • 自動搬送装置
  • 半導体露光装置
  • 真空装置
  • 検査装置

医療機器系

  • レントゲン
  • MRI・CT
  • 麻酔器
  • 手術関連システム
  • 生体情報モニタ

ITインフラ系

  • サーバー機器
  • ネットワーク機器
  • 通信設備
  • POSシステム

2.5 必要スキルの一例

  • 電気・電子知識(電圧・電流・配線)
  • 機械の基礎知識(モーター、ギア、圧力機器)
  • ソフトウェア知識(OS、ネットワーク、ログ解析)
  • 工具の扱い(ドライバー、トルクレンチ、半田ごてなど)

扱う装置の種類が違っても、「機械を理解し、構造を読み解き、原因を突き止める力」が共通して求められます。

3.フィールドエンジニア職のやりがいと厳しさ

やりがい

  • トラブル解決時に顧客から直接感謝される
  • 技術力が上がるのが実感しやすい
  • 実機に触れられるので飽きない
  • キャリアアップ先が豊富(設計・品質保証・サービス企画など)

厳しさ

  • トラブルは予測できないため、予定が変わりやすい
  • 出張が多い企業の場合、生活が不規則になることもある
  • 装置によっては重量物の扱いや体力が必要

それでも「現場で問題を解決するのが好き」「技術が好き」という人にとっては、非常に向いている職種です。

3.1 未経験からフィールドエンジニア職に挑戦する方法

フィールドエンジニア職に限って言えば、転職(中途採用)比率のほうが圧倒的に多い」 です。

理由は以下の通りです。

なぜ中途採用が多いのか?

① 現場は即戦力を求めやすい

フィールドエンジニアは顧客先での対応が中心で、
一定の社会人経験やコミュニケーション能力が必要なため、
企業は中途採用を優先するケースが多いです。

② 新卒がそもそもあまり応募してこない

フィールドエンジニアは「職種として知名度が低い」ため、
新卒の応募が多い職種ではありません。
結果として 中途採用が主流 になります。

③ 業界自体が慢性的な人材不足

半導体、医療機器、産業機械、OA機器など、どの領域でも
フィールドエンジニア不足が続いており、
即採用できる中途の比率が自然と高くなる 傾向があります。

実際の比率(一般的な傾向)

企業や業界によって差はありますが、
多くの会社では次のような傾向です:

  • 中途採用:7〜9割
  • 新卒採用:1〜3割

特に中小企業・メーカー系のサービス部門では、
ほぼ全員が中途採用というケースも珍しくありません。

未経験転職者が入りやすい理由

中途採用が多い上に、
未経験歓迎」の求人もかなり多い職種です。

理 由

  • 研修制度を整えている
  • 装置ごとに知識が違うため、新卒・中途関係なく育成が必要
  • 定着率が低めで常に採用ニーズがある
  • 現場経験が成長に直結するためポテンシャル採用しやすい

結 論

フィールドエンジニアは新卒よりも中途採用が圧倒的に多い職種
未経験の転職者でも十分にチャンスがあります。

4.未経験者に必要なスキルと資格

未経験でもフィールドエンジニアとして採用されやすい大きな理由は、多くの企業が充実した研修制度を用意しているためです。フィールドエンジニアの業務は、扱う機械や装置、メーカーによって仕様が大きく異なるため、企業側も「入社後にしっかり育てる」という方針を取っています。とはいえ、求職者側が最低限の素養や興味を示しているかどうかは、採用担当者が非常に重視するポイントです。ここでは、未経験者でも評価されやすいスキルや資格について、より具体的かつ深掘りして解説します。

4.1 必要な基礎スキル

フィールドエンジニアの仕事は、機械の点検・修理・設置といった“現場作業”が中心となります。そのため、完全な専門知識は必要なくても、以下のような素養があると採用が一気に有利になります。

■ 工具の扱い経験(DIYでも可)
プラスドライバー・六角レンチ・スパナなど、基本的な工具を扱ったことがある経験は大きな強みです。「自宅でパソコンを分解したことがある」「DIYで棚を作ったことがある」といったレベルでも構いません。採用担当者は、工具に抵抗がない人を歓迎します。

■ PCスキル(メール、Excel、ログ操作)
フィールドエンジニアは“現場作業だけ”と思われがちですが、実際には報告書作成やログ確認など、PCを使う場面が非常に多い職種です。最低限、以下のスキルがあると即戦力として見られます。

  • メールでの簡単な報連相
  • Excel入力(関数が使えればなお良い)
  • 装置ログの確認・簡単な読み取り

■ 機械・電子への興味
専門知識がなくても、「機械の仕組みに興味がある」「壊れたものを見ると直したくなる」といった好奇心は、現場での成長速度に直結します。採用担当者は特に“技術に対する興味・関心”を重視します。

論理的思考と問題解決力
フィールドエンジニアの仕事は、トラブルの原因を特定し、効率的に解決へ導くことが求められます。論理的に物事を組み立てられる人は、故障診断が得意になりやすく、現場でも頼られる存在になります。

4.2 歓迎される資格

資格は必須ではありませんが、持っていると採用で優遇されやすかったり、入社後の研修にスムーズに適応できるメリットがあります。

第二種電気工事士
電気回路の基礎知識が身につくため、電源系統を扱う装置の保守に強くなります。実技試験があるため、工具の扱いに慣れる効果もあります。

基本情報技術者
IT・ネットワークの基礎知識が身につき、システム系装置を扱う際に役立ちます。論理的思考力が鍛えられるため、故障原因の切り分けにも効果的です。

■ ITパスポート
未経験者が最初に取得しやすい国家資格。IT・セキュリティ・ネットワークの基礎が理解でき、書類選考の通過率が上がりやすくなります。

機械保全技能士
機械の点検・保全の知識が身に付き、機械系フィールドエンジニアを目指す方には特に有利です。国家資格のため信頼度も高いです。

普通自動車運転免許(ほぼ必須)
多くのフィールドエンジニアは顧客先へ社用車で訪問するため、運転免許はほぼ必須です。車の運転に慣れている方は、即戦力として評価されます。

4.3 資格より“学ぶ姿勢”が重要

資格がなくても採用されるケースは多くあります。しかし、採用担当者が評価するのは、

  • 新しい技術に興味を持てるか
  • 自ら学ぶ姿勢があるか
  • 分からないことを調べて吸収できるか

といった“基礎的な成長力の高さ”です。

履歴書で「独学で勉強を始めている」「関連書籍を読んでいる」などを書くだけでも、採用確率は大きく上がります。未経験であっても、熱意と向上心をアピールできる人は、技術職で特に歓迎されやすいのです。

4.4 フィールドエンジニア職の求人情報の探し方

求人は以下の媒体で多く掲載されています。

転職サイト

  • リクナビNEXT
  • doda
  • マイナビ転職
  • エン転職

技術系特化の媒体

  • メイテックネクスト
  • パソナキャリア
  • R-STEM

企業公式サイト

大手メーカーは自社採用ページで募集している場合もあります。

4.5 人材紹介エージェントの活用法

未経験者はエージェントの利用が非常に有効です。理由は以下の通りです。

  • 書類対策をしてもらえる
  • 未経験採用に積極的な企業を紹介してくれる
  • 面接対策が手厚い
  • 年収交渉を代行してくれる

特にフィールドエンジニアは企業ごとの働き方に差があるため、エージェント経由で内部事情を聞けるメリットは大きいです。

5.フィールドエンジニア職の転職活動

5.1 履歴書・職務経歴書の書き方

未経験者がアピールすべきポイントは「現場で役立つ素養」です。例えば以下の経験があれば強力な武器になります。

  • 機械の組み立て経験
  • 工具の使用経験
  • 接客販売経験(顧客対応に役立つ)
  • トラブル対応経験

書くべき実績例

  • 「PCのトラブル対応を行い、原因特定と改善を実施」
  • “DIYで家電の修理経験あり”
  • 「飲食店でのクレーム対応経験」

専門知識がなくても「現場で必要な能力」を示すことが重要です。

5.2 面接でのアピールポイントと対策

面接でよく聞かれる質問は次の通りです。フィールドエンジニアは技術職でありながら、お客様先へ訪問する“サービス提供者”という側面も強く、面接では技術適性だけでなくヒューマンスキルや仕事への姿勢も重視されます。以下では、よく出る質問とその意図、さらに説得力のある回答をつくるポイントを詳しく解説します。

よく聞かれる質問例

  • なぜフィールドエンジニアになりたいのか
    企業は「本当に続けられるか」「仕事の本質を理解しているか」を確認しています。志望動機が曖昧だと、早期離職のリスクが高いと判断されます。
  • トラブルが起きたときどう対処するか
    フィールドエンジニアの仕事はトラブル対応が中心。慌てず冷静に判断できるか、論理的に状況整理できるかを確認する意図があります。
  • 出張・夜間対応は可能か
    業界によっては緊急対応が必要なケースがあります。働き方に対する理解度・柔軟性を確認されます。
  • 技術を学ぶ意欲はあるか
    未経験者でも採用される理由は「学べばできる仕事だから」。逆に言えば、学習意欲がない人は評価されません。

回答のポイント(深掘り版)

面接で評価を上げるには、表面的な回答ではなく“具体的なエピソード”を絡めることが重要です。下記のポイントを押さえると、説得力のある受け答えができます。

トラブル解決が好き
単に「問題解決が好きです」では弱いので、

  • 以前の職場で急なトラブルに対処した経験
  • 家電やPCの不具合を自分で調べて直した経験 などを挙げると、エンジニア適性を示せます。

■ 手を動かす仕事が好き
フィールドエンジニアは機械に触れる実務作業”が重要です。DIYやバイク整備、PC自作経験などは非常に好印象。「工具に抵抗がない」というアピールは強い武器になります。

主体的に学ぶ姿勢がある
企業は“自分で成長できる人”を求めています。たとえば、

  • 入門書を読み始めている
  • YouTubeやUdemyで機械・ITの基礎を学んでいる
  • 独学でExcelや電気の基礎を勉強中 といった行動を伝えるだけでもポテンシャルの高さを示せます。

エピソードを入れると説得力が倍増する

面接官は「あなたが入社後に活躍できるイメージが持てるか」を重視しています。具体例があると、回答が一気に魅力的になります。

例:問題解決力をアピールする場合

前職の店舗でPOSレジが急に故障し、私が状況を整理してケーブル類の確認や再起動を試し、応急的に稼働を復旧させた経験があります。原因を切り分けながら冷静に対処する力は、フィールドエンジニアの業務でも活かせると考えています。

例:学習意欲をアピールする場合

未経験からの挑戦になりますが、現在は基礎を学ぶために電気の入門書を読み始めています。また、Excelの基本操作やビジネスメールの練習も行っています。仕事で必要になる知識は積極的に吸収していく姿勢があります。

具体的なエピソードと組み合わせて回答することで、面接官に“再現性のあるスキル”が伝わり、高い評価につながります。

5.3 成功するための転職活動のコツ

  • 企業の研修制度の充実度を確認する
  • 体力面や働き方を理解した上で応募する
  • エージェントを併用する
  • 書類に「現場で役立つ経験」を必ず記載する

未経験採用はポテンシャル重視のため、“意欲” “適性” を伝えることが成功の鍵です。

6.フィールドエンジニアの待遇と年収

6.1 未経験からの年収相場と昇給制度

未経験の初年度年収は以下が一般的です。

  • 製造業界  :350万〜420万円
  • 医療機器関連:400万〜550万円
  • 半導体装置 :450万〜600万円
  • IT分野   :350万〜450万円

経験を積むと、年収600万円以上が狙える分野も多く、特に半導体・医療分野は待遇が良い傾向にあります。

6.2 福利厚生とワークライフバランス

企業によっては以下の手当が充実しています。

  • 出張手当
  • 住宅手当
  • 資格手当
  • 深夜手当
  • 社用車貸与

ワークライフバランスは担当装置によって差があり、トラブルが少ない装置ほど働きやすい傾向があります。

7.最後に・・・

フィールドエンジニア職は未経験からでも挑戦しやすく、技術を身につけながら成長できる非常に魅力的な仕事です。現場での経験を積むことで、将来は専門エンジニア、サービス企画、品質保証、さらには設計職へのキャリアパスも開けます。 「技術を身につけたい」「現場で働きたい」「手に職をつけたい」そんな方にとって、フィールドエンジニアは最適な選択肢となるでしょう。

さらに、フィールドエンジニアとして得られる経験は、どの企業でも高く評価されます。機械の構造理解、トラブル対応力、コミュニケーション能力など、現場で鍛えられるスキルは汎用性が非常に高いからです。これらは転職市場でも強い武器となり、将来的なキャリアの幅を広げてくれます

また、現場で直接感謝される機会が多いのも、この職種ならではのやりがいです。自分の作業が企業の稼働を支えているという手応えは、他の職種ではなかなか得られません。技術習得とやりがい、そして成長機会がそろったフィールドエンジニアは、今後ますます需要が高まる職種といえるでしょう。

未経験からの挑戦でも遅くありません。
学ぶ姿勢と前向きな気持ちさえあれば、確実にキャリアを築いていける仕事です。

株式会社S.I.Dでは、そんな転職を目指している皆様の転職サポートを行っています。

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